いろいろな葬儀のかたち

日本では葬儀のほとんどが火葬で行われます。それ以外のものは馴染みがありませんが、世界には宗教や生活の違いから、様々な形の葬儀が行われています。キリスト教徒の多いアメリカでは救世主が復活した時に魂と肉体がバラバラでは復活できないと考えられているため、火葬より土葬が好まれています。同じキリスト教徒でもイギリスでは火葬が中心です。

遺体をそのまま放置する風葬は東南アジア、オーストラリア、北アメリカなどで行われています。日本人からすると驚きなのがチベットの鳥葬です。遺体を神聖な生き物だとされるハゲワシに残らず食べてもらうのです。残酷なように思えますがチベットの人にとってはごく一般的な葬儀と言えます。

その鳥葬の流れは、亡くなってから僧侶に来てもらい読経してもらいます。この時に死者から魂が抜け、別々になります。魂が抜けた死体を鳥葬台に運び、遺体の処理をする天葬師によって分解され、ハゲタカによってついばまれます。生前多くの生き物を食してきた人間が、自身の魂の抜けた肉体を捧げることで、前世の罪を洗い流し天へ還る。

そして後世へ輪廻転生するための儀式と考えられます。チベットは樹木が乏しく、火葬にするための薪が不足していますし、岩場や凍土も多いので土葬にも向きません。大きく偉大な自然の中で生活し、魂は再び生まれ変わると信じるチベットの人の暮らしに鳥葬は合っているのでしょう。地域によっていろいろな形がありますが、残された人が死者を敬い別れを告げ、気持ちの整理をするための神聖な儀式であることは世界で共通しています。

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